今月23日に行われる那覇市長選挙。2期8年市長を務めた城間幹子市長は任期限りで引退し、2人の新人が立候補を予定しています。

城間市長を支えた市議会与党・オール沖縄勢力が擁立したのが、翁長雄治(たけはる)さん。県議会議員、那覇市議も経験した35歳。翁長雄志(たけし)前知事の次男です。

一方の野党・自民党は、那覇市長時代の翁長雄志さんが幹部に引き上げた知念覚(さとる)さんを擁立。城間市政下で7年半、副市長を務めていて、敵陣から引き抜く格好となりました。

翁長雄志さんの影響を強く受けた2人による、事実上の一騎打ちが予想され注目を集める那覇市長選挙。
大きな波乱が起きていますー

翁長雄治さん
「私は今回の選挙戦、「子育て日本一」というスローガンを掲げさせていただきました。子供たちの権利を守る上でも、子供相談所、いわゆる児童相談所、那覇市に設置をしたいと考えております」

知念覚さん
「1つ目はこどもへの思いであります。代表的なものとして、こどもが自らを肯定し、主体となる、こどもの権利条例を制定いたします」

翁長・知念、両候補が示す、子ども政策重視の姿勢。

知念覚さん
「那覇軍港の早期移設を推進し、跡地利用計画を策定いたします」

翁長雄治さん
「那覇軍港については容認する立場で玉城知事と城間スタンスで取り組んでいく」

長年の課題、那覇軍港の浦添移設を認める姿勢にも近いものがあります。
ほかに両者が掲げる政策は、小中学校の給食費無償化、ジェンダー平等・多様性のある社会実現に向けた政策など、基本的な考え方は似ているものが数多くあります。

中立系市議
「もともと争点はない」

“城間市政の継承” を掲げる両者の基本姿勢には違いが見えにくいなか、明確に異な
るのは、辺野古問題の政治姿勢を那覇市長に問うべきか否かの見解です。


翁長さんは、2018年に亡くなった父、翁長雄志さんの遺志を引き継ぎ、普天間
基地の辺野古移設反対を掲げる“オール沖縄”の思いを守ると強調します。

翁長雄治さん
「父が県民と一緒に作ってきたこのオール沖縄というものに対する強い(県民の)感情をしっかり守ってほしいと(託された)」

これに対し、秘書や総務部長として翁長雄志那覇市長を支えた知念さん。

知念覚さん
「もちろん県民投票の結果、これはその民意は尊重されるべきものだと思っています」

辺野古移設問題には「思うところがある」と述べるにとどめ、反対は明言しません。逆に「容認」や「推進」も掲げませんが、市長選の判断材料とされることには警戒心を露わにしています。

知念覚さん
「市政から離れた政治姿勢で、いたずらに対決構造を招くべきではなく、それによる市政運営の無用な混乱と停滞はあってはならないと 強く憂慮する」

翁長雄治さん
「政府が沖縄の問題、名護、そして辺野古の問題、あるいは、宜野湾、普天間の問題というふうに地域を限定して矮小化していくということを容認することは、私は断じてできません」