札幌・ススキノのホテルで当時62歳の男性が殺害され、親子3人が逮捕・起訴された事件で、札幌地裁は殺人を手助けした罪などに問われた父親に、懲役1年4か月の有罪判決を言い渡しました。
【この記事を画像で見る】

・堀内大輝アナ(12日午前11時 札幌地裁前)
「抽選にもかかわらず、受付時間の前から、傍聴を希望する人が大勢集まっています」

12日の札幌地方裁判所前。異例の事件の判決を見届けようと、およそ300人が列を作りました。

 2023年、札幌・ススキノのホテルで当時62歳の男性が殺害され、頭部が持ち去られた事件。

 娘の田村瑠奈被告31歳の犯行を手助けした罪に問われた父親の修被告61歳に、札幌地裁は懲役1年4か月、執行猶予4年の有罪判決を言い渡しました。

 渡邉史朗裁判長
「瑠奈の犯罪を止められる唯一の親という存在として、犯罪を止めたり警察に通報したりするべきだった」

 逮捕・起訴された田村瑠奈被告(31)と父親の修被告(61)、母親の浩子被告(62)親子3人のうち、修被告は殺人や死体損壊などを手助けした罪に問われています。

 これまでの裁判で弁護側は「娘の犯行計画を知らなかった」として無罪を主張。

 一方の検察側は、「計画を知ったうえで関与した」として懲役10年を求刑していました。そしてきょう午後。

 黒いスーツで法廷に現れた修被告はまっすぐに裁判長を見つめ、「懲役1年4か月、執行猶予4年」という判決に耳を傾けました。

札幌地裁は判決で、「瑠奈被告が死体を遺棄することを知りながらそれを容認し、ビデオ撮影で損壊行為も容易にさせた」として、死体遺棄と損壊のほう助の罪を認定しました。

一方で、殺人のほう助については「何らかの犯罪行為に及ぶことは認識していたと言えるが、殺人に及ぶことを認識していたとまでは言えない」などとして認定しませんでした。

審理に参加した裁判員は。

裁判員
「大きく主張が異なっていた。非日常的なことが多かったので、同意していく工程が難しかった」