使命はあるがとてもじゃないが職員だけでは難しい

(白寿荘 松本博之荘長)
「人手はもう大変です。今の入所者の方のケアだけで手一杯なんですね。災害が起きた時には手伝わなければいけないという使命はあるのですが、とてもじゃないが職員だけでは難しい」

ここには現在、78人の入所者がいて、すでにベッドは満床。常に人手不足で、福祉避難所を開設したとしても、被災者を受け入れる十分な余裕がないといいます。さらに問題なのが・・・
(白寿荘 松本博之荘長)
「こちらが全部、災害備蓄含めたいろいろなものを保管している場所です。うちで用意しているものだけでは、とてもじゃない。まわらない。」

物資不足です。ここでは災害に備えて避難者用のダンボールベッドや非常食などを備蓄していますが費用の負担が大きく、十分な数を準備するのは難しいといいます。
(白寿荘 松本博之荘長)
「どこまでできるのかというのは不安、どこまで購入して、自前で、手弁当で用意できるかっていうのは限界がある」

運営に大きな負担がかかるため、結果的に避難者の受け入れに十分な体制をとれない施設も多いといいます。例えば美咲町や津山市を見ると登録されている要支援者の数に対して受け入れ可能数が極めて少なく、岡山県内全体を見ても、多くの自治体が同様の課題を抱えています。専門家は、「介護人材頼みでいては助けが必要な人の命を守ることができない」と指摘します。
(香川大学地域強靱化研究センター 磯打千雅子特命准教授)
「一般の避難所に行くと迷惑をかけてしまうだとか、避難そのものを回避してしまうということが考えられます。助かっていた命も助けられなくなりますし、福祉関係者の方、行政の方だけではなく地域全体でとらえていく課題だと思います」
誰も取りこぼさない防災・減災を目指して。私たちひとりひとりが他人事と思わず、行動の主体となることが求められています。