大船渡市の山林火災では東日本大震災で被災した水産業が再び被害を受けました。現場から江幡記者の中継です。

私はいま、綾里漁港に来ています。
10日避難指示が解除された地域では、建物被害の大きさを目の当たりにする被災者の姿が見られました。そしてそれは住まいの被害だけではありませんでした。
40年以上前から三陸町綾里でアワビの養殖を手がける元正榮北日本水産の古川季宏社長は、避難指示が解除された10日、アワビ養殖の水槽の様子を確認したところ、水槽のヘリ近くまであった水がすっかり抜けてしまっていて、アワビは干からびてしまっていました。

元正榮北日本水産の古川季宏社長です。
大変な時にご協力に感謝します。

Q.養殖していたアワビを手に持っていますが、こらで何年くらい養殖したものですか?
A.
Q.一体どれくらいのアワビを養殖されていたのですか?
A.ここではおよそ250万個のアワビを作っていますが、見た感じ全滅しています。

Q.被害額は?
A.5億か6億程度です。
Q.どんな原因が考えられますか?
A.綾里湾のきれいな海水をかけ流しで作っているわけなのですが、急に電気が止まるとポンプが逆流して、海水を吸ってしまうんです。その結果飼育水槽の海水がどんどん減ってアワビが干上がってしまったというわけです。
江幡)山林火災の発生に伴い一帯は停電しました。通常の停電であれば、発電機を回すなどして対応するのですが、今回の山林火災ではそれができませんでした。
こちらの映像をご覧下さい。

江幡)赤崎町合足で山林火災が発生したおよそ30分後には、三陸町綾里の石浜に迫っていたのです。火の回りのあまりの速さに、アワビを諦め避難せざるを得なかったのです。

Q.今回の被害を受けてどんなことをお感じになっていますか?
A.東日本大震災から数えて今回で2回目の被災です。心が折れそうではありますが、私の息子もこの会社に入って頑張っているので何とか復旧に向けた動きを知りたいと思っています。
江幡)アワビの養殖には3年から4年かかるそうで、事業の立て直しには莫大な資金と時間が必要となります。
以上、中継でお伝えしました。