サッカー序盤戦の大一番、8日に行われた愛媛FC対FC今治。松山市のニンジニアスタジアムには9300人余りのサポーターが詰めかけ、白熱の攻防の末、軍配はFC今治に上がりました。

Jリーグ参入20年目の愛媛FC。
Jリーグ参入5年目、J2初参戦のFC今治。

愛媛FCサポーター
「絶対愛媛が勝つと思います」
「久びさに勝って、今治にも勝ってって感じで」
「最近ちょっとあまり勝ててないので、勝てたらなと思います」
「アグレッシブに行ってほしいです。受け身にならずに攻撃的に行ってほしいです」

FC今治サポーター
「完全に屈辱と悲劇、同時に味わった感じでしたね」
「“あの時”から1年と4か月経ってると思うんですが、チームもサポーターもあの時の悔しさは忘れずに今まで積み重ねてきたものもあると思いますので、それをしっかり出し切って勝ちたいと思います」

2023年11月11日、愛媛FCがFC今治を破り、J3優勝とJ2昇格を決めた“あの日"以来の伊予決戦。

舞台をJ2に変え、スタジアムには9300人あまりが集結。とにかくこの日、この瞬間、いったいどっちが強いのか－。

それを証明するための90分は、序盤から、球際厳しく激しいボール争奪戦の中、一進一退の攻防が続きます。

そして均衡を破ったのは前半35分の愛媛。

初スタメンの村上から福島が折り返し甲田。

(愛媛ゴール 愛媛1-0今治)

今治のキーパー・立川に競り勝ち先制ゴールをねじ込み、1対0で折り返します。

しかし前節4得点の今治は、後半開始直後の3分、クロスボールを頭で繋ぎ、ヴィニシウス。

(今治ゴール 愛媛1-1今治)

エースが頭から飛び込み、あっと言う間に同点に追いつきます。

それでも過去の伊予決戦、今治にホーム2連勝中の愛媛は、後半24分甲田のコーナーキック。

(愛媛ゴール 愛媛2-1今治)

ゲームキャプテン・山原が勝ち越しゴール。勝利をぐっと手繰り寄せます。

しかしドラマはここからでした。

後半37分、今治のコーナーキック。加藤が頭で繋ぎ、最後は近藤。

(今治ゴール 愛媛2-2今治)

今季初ゴールを叩き込み今治が同点に追いつくと、その5分後、梅木のクロスに再びヴィニシウス。

(今治ゴール 愛媛2-3今治)

J2では初めての伊予決戦は、逆転で今治に軍配。勢いと気迫の勝ち点3です。

1点ビハインドの状況から5分間で2得点、一気に試合をひっくり返した終盤の集中力と決定力は見事でした。

FC今治 マルクス ヴィニシウス選手
「難しい試合になるのは分かっていましたし、愛媛のクオリティも知ってますし、その中でも自分たちは勝ちに来るという気持でやってきて、それをしっかりとピッチの中で表現できて勝てたのが本当に嬉しく思っています」

FC今治倉石圭二監督
――伊予決戦を振り返って
「異質な雰囲気というか、過去の文化だったり、そういった中で戦えて、逆転というかあきらめない部分が結果に出た所はチームにとっても今後に繋がるかなと」

愛媛FC DF山原康太郎選手
「再逆転…という形だと思うので、開幕から4試合、勝ちがないということで、本当に選手達も苦しんでますし、同じことを繰り返しているというのは、下に沈んでいってしまうようなチームだと思うので、選手はもちろんですが、スタッフ監督全員でもう1回修正していくというのが大事かなと思います」

愛媛FC 石丸清隆監督
「この短い時間の中で、準備をしたんですけども選手はよくやってくれたかなと思います。ただ本当に責任が、勝てなかったという所が非常に悔しいゲームだなと思います」

順位は、勝った今治は6位に浮上、敗れた愛媛は18位に後退です。

次節は今治がホームで富山戦、愛媛はアウエーで千葉と対戦します。