山梨県南アルプス市の工場の排出された水から、基準値を超える六価クロムが検出された問題で、工場は今年1月に処理装置に異常が見られたにもかかわらず、稼働を続けていたことが県の調査でわかりました。

3月5日に南アルプス市の自動車部品の製造工場「日立Astemo 第一工場」の排出水から基準値を超える有害物質の六価クロムが確認されたことを受け、県は8日工場内の立ち入り検査や関係者の聞き取り調査のほか、工場周辺4か所の土壌を採取しました。

今回は、工場で使っている排ガス処理装置の水洗シャワーから水が出なかったことで、六価クロムを含む蒸気が水に混ざって排水されたとみていますが、県の聞き取りで、この処理装置には少なくとも今年1月から異常があったにもかかわらず、稼働を続けていたことが新たに分かりました。

県大気水質保全課 野中俊宏課長:「工場内でそのようなことがあったこと自体は公害法規に抵触するものではないが、結果的にこういうことになった(排水から基準値超える六価クロム検出)ことは、管理体制は批判されるべきではないかと思う」

県は、処理装置の改修が確認できるまで稼働しないよう求めています。

六価クロムは有害物質ですが、これまでに体調不良を訴える人は確認されていないということです。

なお、6日に県が行った周辺河川の調査では、いずれも基準をクリアしています。