ウクライナ軍の総司令官を務めた駐イギリス大使が、「このままではNATOが消滅する可能性がある」として、アメリカの姿勢を強く批判しました。

ウクライナ軍の前総司令官で駐イギリス大使を務めるザルジニー氏は6日、ロンドンで開かれた安全保障の会議で、「ホワイトハウスが西側世界の結束を疑問視していることは明らかだ」と指摘しました。

そのうえで、「アメリカ抜きでヨーロッパの防衛を進めようとしている」と述べ、「このままではNATO=北大西洋条約機構が近い将来、消滅する可能性がある」と懸念を示しました。

さらに、アメリカがウクライナ侵攻についてロシアのプーチン大統領の責任を認めない姿勢についても触れ、「ロシアや悪の枢軸だけでなくアメリカも世界秩序を破壊している」と厳しく非難しました。

ザルジニー氏は去年、ゼレンスキー大統領に総司令官を解任されましたが、今も国民からの人気は高く、先月の世論調査ではゼレンスキー大統領を上回る支持を集めています。