国内に100キロ以上の覚せい剤を密輸しようとしたウクライナ国籍の男の裁判で、富山地裁は懲役20年の判決を言い渡しました。

覚せい剤取締法違反などの罪で判決を受けたのはウクライナ国籍で住居不定・無職のスミルノブ・バレリー被告(56)です。

判決などによりますと、バレリー被告はおととし8月、航空貨物で覚せい剤約113キロ、当時の末端価格にして68億円を、国内に密輸したとされています。

バレリー被告の弁護側はこれまでの裁判で「覚せい剤が貨物の中に隠されていたことを認識していなかった」などとして無罪を主張していました。

6日の判決公判で富山地裁の梅澤利昭裁判長は、被告人が重要な役割を主体的に果たしたと認められ、その責任は重いと指摘。

また、自らの罪を認めず不合理な弁解に終始し、酌むべき点も見当たらないとし、懲役20年と罰金1000万円の判決を言い渡しました。控訴についてバレリー被告の弁護人は「答えられない」としています。