長野県千曲市の戸倉駅前にあるシンボルが姿を消しました。

50年以上前に設置されたアーチ看板。
「歓迎戸倉上山田温泉」というメッセージを掲げ、観光客を出迎えてきましたが、5日朝までに撤去されました。

旧戸倉(とぐらまち)町と旧上山田町(かみやまだまち)にまたがり、昔から人気を集めてきた戸倉上山田温泉。

駅前の看板は、かつてはネオンの光を放ち、夜の街へ向かう客などを迎え入れてきました。

大勢の人に親しまれてきましたが、近年は劣化が進み、文字部分が落下する恐れがあることが判明。いまの法律では、県道をまたぐアーチ状の看板を新たに設置することもできず、撤去が決まりました。

地域の人には強い思い入れがあります。

駅内喫茶店の店主は:
「私が開業した頃はここへ来てコーヒーを飲んでいくお客さんが沢山いたの。だからここも結構賑やかだったんだけど、今そういうお客さんは少ないし看板がなくなっちゃえば特に寂しい」

地元の人は:
「5年くらい前にここにきたけどその時は看板の電気がすごくきれいで。あった方が良いような気もするけどね」

終電が終わった4日深夜11時半過ぎから始まった撤去作業。
最後の姿を写真に収めようと訪れる住民もいました。

住民は:
「通勤で通ったり、夜遅く帰ってくるとアーチを見てとほっとする感じ。戸倉上山田のシンボルですからね、写真を撮ってみたいなと」

吹雪の中、文字の部分が取り外されていきます。
運びやすくするため看板は切断され、トラックで運搬されていきました。

撤去作業開始からおよそ6時間が経った、5日午前6時前、多くの人を出迎えてきた看板はその役目を終えました。

千曲市は今後看板に代わるモニュメントを設置したいと考えています。