業界も手をこまねいているわけではない

迫りくる問題に、それぞれの業界も手をこまねいているわけではありません。

(就職フェアの講師)
「”円背”ってご存知ですか?背中が曲がって固定されている方、そういう方って普通に車いすに乗っていると転落、危ないんですよ。ここに緩みを持たせられる背もたれがあることで、そういう利用者さんも安全に車いすに乗れる」

岡山県社会福祉協議会は、毎年行っている就職フェアで最新の車いすや介護機器に触れられる体験教室をはじめて実施。初心者や長期間現場から離れていた経験者にも就労のすそ野を広げるのが狙いです。

(就職フェア参加者)
「コロナの時からちょっと離れていました。前よりはまた新しくなっているなって。もう一回初心に戻って一から頑張りたいと思いました」

(岡山県社会福祉協議会 福祉支援部吉田光臣部長)
「こういうマッチングの機会を増やしていくということもあるんですけれども、あわせて働きやすい職場環境づくり、そういう取り組みも進めていきたいですし、中途希望の方とかリタイヤした元気なシニアの方々とか人材確保に努めていきたい」

医療の現場でも、デジタル技術やデータを活用してのDX=デジタルトランスフォーメーションを進め、極力人手と手間を省くことで2025年問題に備えています。

(岡山市立市民病院 今城健二院長)
「近々では電子処方箋化して医療機関にかかってもお薬手帳以上の情報が得られるような形で、他の医療機関であってもご自身がされた検査が分かるような形で展開していますので。(電子化)やっている最中は大変ですけど、できあがってくるとサービスが入ってよかったねという形になってくると思います」

岡山大学の三村副学長は、こうしたDXの推進はもちろん、医療や介護、地域のコミュニティが一体となった包括的なケアができる社会づくりが必要だと話します。

(岡山大学 三村聡副学長)
「地域社会全体が高齢化を受け止めて、地域そのもので助け合いながら包摂していく。その地域の人たちが自分が主人公になって支えていく。これが2025年問題を乗り切るための大きなキーワードになってくる」

待ったなしで進む高齢化、持続可能な医療・介護を形成するために・・・今、社会全体が大きな転換点に立たされています。