北陸3県でガーデンウエディング施設「ヴィラ・グランディス ウエディングリゾート」を運営し、金沢地裁に民事再生法による保全と監督命令の適用を申請していた「かづ美」が、2月28日までに手続きの廃止決定を受けていたことが帝国データバンクの調べでわかりました。負債額は約27億400万円とみられます。

「かづ美」は1986年(昭和61年)に創業、1987年(昭和62年)に法人改組し、当初は貸衣装業を手がけていました。

2004年にガーデンウエディング施設の「ヴィラ・グランディス ウエディングリゾート金沢」を開業したのを皮切りに2006年には富山市内、2007年には金沢市内の式場に併設する形で「カーサ・ディ・ジュナ」をオープン、結婚式場運営会社として業容を拡大してきました。

施設は、チャペルを併用した庭園を利用する形の郊外型式場で自由度の高いプランニングが評価され、北陸3県ではトップクラスの業容で2011年6月期には売上高約25億5700万円を計上していました。

その後は、婚礼件数の減少に加え他業種からの競合もあり2019年6月期には売上高17億8400万円までダウン、その間に収益性も低下して赤字を散発、債務超過に陥っていました。

さらに新型コロナウイルス感染拡大以降は婚礼行事の中止や延期の影響で実績はさらに落ち込み、大幅な赤字計上が続くなかで設備投資に伴う借入金の返済も重荷となり自主再建を断念、12月20日に金沢地裁に民事再生法の適用を申請していました。

事業を継続しながらスポンサーを募り再建を目指していましたが、2月28日までに再生手続きの廃止決定を受け、今後は破産に移行する予定です。

債権者は287人で、負債額は約27億400万円とみられるものの変動する可能性があります。

3月3日までの挙式・披露宴は執り行いますが、それ以降については、現時点では困難な状況です。