セブン&アイ・ホールディングスの創業家が模索している自社の買収計画をめぐって、出資を検討してきた伊藤忠商事が参画を見送る方針であることがわかりました。

セブン&アイは、現在、カナダのコンビニ大手から買収提案を受けています。これに対して、セブン&アイの創業家が実質的な買収防衛策として自社株買収を提案しています。

これまでに大手商社の伊藤忠やアメリカの投資ファンドなどが出資を検討してきましたが、関係者によりますと、伊藤忠は参画を見送る方針であることがわかりました。

今月、伊藤忠の副社長は出資について「検討していることは事実」と明言しながらも、株主などの利害関係者が納得するような内容でなければ投資できないとの考えも示していました。

また、創業家側はタイの財閥大手チャロン・ポカパングループにも出資の要請を行っていましたが、チャロン・ポカパングループも「日本の小売企業への出資に参加するつもりはない」との声明を出し、出資の見送りを明らかにしました。

創業家は8兆~9兆円規模の資金調達を目指していますが、伊藤忠の離脱の方針によって買収防衛策は見直しを迫られることになるとみられます。