『時間がかかってごめんね』警察官の言葉
25日、Dさんは「被害者参加人」として判決公判に出席した。ひとつの区切りとして見届けたいと思った。
福岡地裁は本多被告に、有期刑としては最も重い懲役30年を言い渡した。Dさんを含め元女性従業員6人全員に対する性加害を認めた。
Dさん
「分かってくれた人がいてよかった」
そしてこう付け加えた。
Dさん
「Nさん事件の時にネット検索したら
『警察は何もしてくれない』という書き込みが多かった。
今性被害にあっていて誰にも相談できずにいる人に、
そういうふうには思ってほしくない。
今回捜査してくれた警察にはものすごく感謝しています。
『証拠がないんですけど・・・』というところから入っても、
何度も何度も丁寧に話を聞いてくれて、
動画や画像がなくてもLINEのやりとりや、けがの写真、誓約書とか
そういう証拠を時間をかけてそろえてくれた。
『女性の担当にしましょうか。担当変えなくていいですか』と
何度も聞いてくれた。
実際何度も呼ばれて話を聞かれる、
それがつらいっていう被害者もいたんですけど、
警察官は『時間がかかってごめんね』と言ってくれた。
寄り添ってくれている、と感じました。
今もし、性被害にあって苦しんでいる人は
『警察にいっても無駄』だとはどうか思わないで」
性被害をめぐる認識は、9年前と今では大きく変わった。世界でも、そして日本でも。
”Nさん事件”から9年。今回、事件が明るみに出た意味は大きい。
どうか捜査機関には、その責務の重さを改めて受け止めてほしい。
地域には、様々な相談機関もある。
恐怖の中で勇気を出して申告した被害者の声がかき消されることがあってはならない、と強く思う。
RKB毎日放送・報道部 奥田千里 高藤秋子