突然、玄関で泣き崩れた日…「学校に行きたくない」

寛人さん
「ある日突然、周りが僕を笑うじゃないけど悪口っぽいことを言って…最初気のせいかなと思ったけど、それが何日も続いて(学校に)行けなくなった」

母・静(しずか)さんは、女手ひとつで子供3人を育ててきました。

ある朝、玄関先で「いってらっしゃい」と声をかけると、寛人さんは突然しゃがみこみ「学校に行きたくない」と泣き崩れたといいます。寛人さんは、家に引きこもるように。

母・藤井 静さん
「行きたくないなら行かなくても。この子が家にいて笑顔でいてくれるならそれはそれでいいのかなと思って。それでも家にいても辛そうな姿を何年間も見てきたけど…」

寛人さんが家から出られるようになったのは高校を卒業していたはずの、18歳のころ。静さんが管理するコインランドリーで働き始めたことをきっかけにいろいろなアルバイトを経験するようになりました。


そんなある日、親子でアニメを見ていると、昔ながらのリアカーで焼き芋が売られている映像が流れます。

静さん
「懐かしいと思いながら…もちろん今の子たちはそんな世代じゃないよね、という会話から(寛人さんが)『焼き芋屋いいね』って」