「1614頭」

これは青森県が明らかにした県内に生息していると推定される「ツキノワグマ」の頭数です。

クマの生息地域が拡大し被害も増えるなかで、県は2025年に公表する予定の新たな管理計画で「ゾーニング」などを設定し、人との共存を図ります。

全国で「ヒグマ」や「ツキノワグマ」による人的被害は昨年度、過去最多となり、2024年4月には都道府県による捕獲などの事業を国が補助できる「指定管理鳥獣」に指定されました。

青森県内では2024年、八甲田で女性が襲われ死亡するなど4件の人的被害が起きたほか、市街地にも出没が相次ぎ、生育地域の拡大が懸念されています。

県はこうしたことを受け、2024年に自動撮影カメラを設置して白神山地や下北半島などで生息状況の調査を行い、その結果、青森県内にいる個体数は1614頭と推定されるということです。前回の調査と比べて1.37倍に増えたことになります。

こうした結果を踏まえ、今回新たにつくる管理計画では、人とツキノワグマの共存を柱に個体数の安定的な維持と人身被害防止のため、生息地や排除地域など4つのエリアで「ゾーニング」を設定して管理方針を定めます。

その上で生息地に近い緩衝地域には「管理強化ゾーン」を設定して、クマの侵入防止のための対策を積極的に実施する方針です。

県ツキノワグマ保護管理対策検討委員会 大西尚樹 委員長
「青森県は今まで唯一東北のなかで、特定管理計画が作られていなかった。遅れたスタートではあるが、科学的な順応的管理や広域的管理、ゾーニング管理という考え方も新しくなってきている。そういう意味では、最新の保護管理計画が作れるのでは」

この新たな管理計画については、委員会などで検討が進められ、2025年中には公表される予定です。