
今作はドキュメンタリー出身の久保田監督が、全国の警察に届けられる年間約8万人にものぼる行方不明者の「失踪者リスト」から着想を得て、8年もの歳月をかけて完成に至った作品です。
突然、姿を消した最愛の夫を30年にわたり「待つ女」のもとに現れたのは、2年前に失踪した夫を探す、もうひとりの「待つ女」。北の離島でそれぞれの人生が交差していきます。

当て書き(=その役を演じる俳優をあらかじめ決めておいてから脚本を書くこと)された脚本を読んだ主演の田中さんは、“セリフはそれほど多くはないけど、セリフとセリフの間に感じられる“風”みたいなものを皆さんに一番伝えなければと思うのですが、それが難しくて、これまでもできなかったし、今回もできなかったと思います”と謙遜に語ると、会場からは笑いがこぼれました。
尾野さんは、何かを考えさせようとする映画が少なくなっている中での今作に、“すばらしいと思い、「出よう、やりたい」”と出演の決め手を明かしました。
さらに尾野さんは以前、田中さんと共演したときに、「やり残した感じ」があったそうで、“今回は面と向かって、お芝居ができる”と、並々ならぬ気持ちで、撮影に臨んだことを明らかにしました。

一方、安藤さんは“自分は役者としての所在地がなく、フラフラとしていて、連絡がつくとその作品をやっているという感じなので、台本を読んで自分の人生とリンクしている、自分(自身)だなと思って(仕事を)受けました”と映画出演の経緯を語りました。
【担当:芸能情報ステーション】