味噌にすりおろした生姜を入れる文化が生まれたのは、1945年の第二次世界大戦終結後です。交通の要所であった青森駅の周辺には、人や物資が集まりやすく、屋台が軒を連ねる闇市ができていきました。

ここで提供された「おでん」が「生姜味噌おでん」のルーツとされています。「青森おでんの会」によりますと、冬の厳しい寒さのなか、青森駅前から北海道・函館にわたるため青函連絡船の乗客の体を少しでも温めようと、屋台の女将が生姜味噌おでんを考案しました。

これが喜ばれて広まり、市民の食卓へと浸透していきました。さらに地名度を上げるきっかけとなったのは、八戸市で初めて開かれたご当地グルメの祭典、「Bー1グランプリ」青森を代表する逸品として、全国にその名が知られるようになりました。


※今野記者
「青森のご当地グルメとしておなじみとなった生姜味噌おでん。お土産にするのは難しいと思っていませんか?実はいま、こうした土産品が登場しています」

「おでん」の缶詰各種


これからの時期、お土産にぴったりなのが生姜味噌のタレが付いたおでんの缶詰です。大角天、角こんにゃく、焼ちくわ、大根などおなじみの具材がふんだんに盛り込まれました。


東北新幹線の新青森駅開業に合わせて2008年に開発され、冬場の土産物として重宝されています。

※あおもり北彩館 新青森店 横山秀明店長
「生姜味噌が青森のおでんの特徴の一つですので、懐かしんで買っていかれる方は結構多いです。寒くなってきたので、これから動く(売れる)シーズンに入ってきたと思います」


冷えたからだを温めようという思いやりの心から生まれた生姜味噌おでん。

※横山はる江さん
Q.寒くなってきてからの方が売れ行き良くなりますか?「寒くなればあまり人も出てこないし、天気が良いと人が出てくるけど」

雪深い青森で露店だからこその苦労もありますが、横山さんの思いはこれまでも、そしてこれからも同じです。

※横山はる江さん
「(お客さんから)おいしいと言われる。生姜味噌おでんはずっと続けてやっていく。」



生姜味噌おでんは、時代を超えてふるさと・青森の味として根づき、これからも受け継がれていきます。