沖縄戦から80年が経ちました。沖縄の80歳以上は、人口の7%です。日本全体でも90%が戦後生まれになり、近い将来、戦後世代しかいない沖縄がやってきます。【戦後80年 #あなたの623】は、胸の奥にしまい込んできた辛い記憶。家族のなかで避けてきた戦争の話題。また、証言を聴き取り次世代につなごうと活動する人など、様々な角度から沖縄戦を伝えるシリーズ企画です。

永田健作さん(43) #あなたの623

今回は、戦争体験者の証言を聴き取り演劇で表現している、永田健作さんの取り組みをお伝えします。

中央:住民 右:日本兵

▼平和劇の1シーン――
日本兵:
「貴様、戦陣訓を知らんのか。我々日本軍はな、天皇の軍隊として」
住民:「生きて虜囚の辱めを受けず。死して罪禍の汚名を残すことなかれ。この言葉のせいで何人死んだかね」

沖縄戦の体験者の証言をもとに創作された「沖縄戦と平和劇」。2021年、県内の中学校で平和学習の一環として初めて披露され、現在では全国ツアーも展開しています。

物語は沖縄戦で糸満のガマに避難した親子、教師、日本兵が抱えるそれぞれの葛藤を描いています。

右:平和劇の演出をする永田健作さん

▼永田健作さん「それぞれの登場人物の痛みを引き受けてですね、最後まで舞台上で生き抜いてくれたらなと思います」

劇の脚本・舞台演出を手がける永田健作さんは、これまでに14人の戦争体験者の証言を聴いてきました。

「きっかけは(元白梅学徒の)中山きくさんに出会ったこと。とにかく体験者の方々が僕たちに伝えてくれた思いですよね。あの悲劇は自分たちの代で終わらせてほしいと。やっぱり戦争体験者の方々から教えていただいたので、勝手に僕はバトンを受け取ったと思ってるので、できたらそれを若い人たちに渡していきたい」

左:永田健作さん 中央:中山きくさん