岸田前総理を襲撃した罪などに問われる男の裁判員裁判で、検察側は懲役15年を求刑しました。

起訴状によりますと、兵庫県川西市の無職・木村隆二被告（25）はおととし4月、選挙の応援のため和歌山市内の漁港を訪れた岸田前総理に向かって、手製の爆発物を投げたとされる殺人未遂などの罪に問われています。

裁判の争点は、木村被告に「殺意があったかどうか」。これまでの裁判で、木村被告は殺意を否認していました。

きょうは検察側、弁護側双方が最後の主張を述べ、検察側は「人の命を奪う危険が極めて高い爆発物を、大勢の人がいる中で投げて爆発させたことに、殺意や加害目的があったのは明らか」「犯行は真似しようと思えばできてしまい、厳しく処罰されることを社会に知らしめて警鐘とすべき」などとして、懲役15年を求刑しました。

一方、木村被告側は「殺意は無く傷害罪にとどまる」などとして、懲役3年が妥当だと主張しました。

裁判の最後、木村被告は小声でこう述べました。

木村隆二 被告
「多くの皆さんにご迷惑をおかけして、大変申し訳なく思います」

判決は今月19日に言い渡されます。