島で観光客を出迎えるのは「妖怪」です。瀬戸内国際芸術祭の会場の一つとなっている小豆島に、「妖怪をテーマにしたアートギャラリー」が登場し、観光客を怖がらせています。

ひーっ!


平家一門を滅ぼされた怨念で、鬼になった「滝夜叉姫」に…

ギャーッ!


京の都を徘徊し、見た人の魂を抜くといわれる「輪入道」

ぞーっ...


どれもリアルで恐ろしげな表情を見せます。

とにかくでかい!


(リポート 古川豪太記者)
「突然木の上から落ちてきて、人を驚かせる『妖怪つるべ落とし』。高さは約1.5メートルもあります。等身大にこだわった彫刻です」

大部港は小豆島の北側にあります
昔ながらの雰囲気の港の一角に
異世界への入り口が...


瀬戸内国際芸術祭の秋会期で賑わう小豆島。大部港の待合所の小さな入り口を潜り抜けると、妖しい世界が広がります。

お化け屋敷ではありません、アートです!


島で妖怪美術館を運営する「メイパム」が作った「妖怪アートギャラリー」です。妖怪彫刻家として知られる武本大志さんが作った、妖怪の等身大の彫刻が並んでい
ます。


(MeiPAM 野村充史さん)
「暗い中でほんのり浮かび上がってくるような感じをつくっているんですけど、あっちはすごく明るい日差しがきらびやかな海の見える待合所だけど、一歩踏み込むと暗闇の闇の世界」


港は「あの世とこの世の境目」。訪れた人は、突然迷い込んだ異世界に現れる妖怪たちの姿に、どこか怖れを感じずにはいられません。


(兵庫から)
「顔の表情が怖そう。なんかこんなのでも来られたら恐ろしそう。こっちは迫力がごつい。顔来てばーんってしてるから、逃げようにも」

(鳥取から)
「なんか斬新ですよね。ましてや島の中でというのがね」

日常と壁一枚隔てた場所にある異世界は、小豆島を妖怪で活性化させようという試みです。


(MeiPAM 野村充史さん)
「すごくのびやかな瀬戸内海の風景とは裏腹に、少しちょっと踏み入れるとこういう世界があるんだというのを、ここでちょっと『ギョッ』と感じてもらえたらいいなと」


様々な場面で「ボーダレス」、境目があいまいになっている現代社会です。小豆島の小さなギャラリーで、あの世とこの世の境目を感じてみてはいかがでしょうか。