暦の上ではきょう(3日)から春、「立春」です。岡山県浅口市の蔵元では、立春の日に絞った新酒をその日のうちに県の内外の人たちに味わってもらおうという「立春朝搾り」が行われました。

夜明け前の午前6時半、浅口市の嘉美心(かみこころ)酒造でしぼりたての日本酒が瓶詰めされていきます。立春の日にしぼった酒をその日のうちに飲んでもらい、春の始まりを喜んでもらおうと、全国の蔵元が行っている「立春朝搾り」です。

その日のうちにしぼりたての酒を県の内外に届けるため、作業は未明から早朝にかけて行われ、客からの予約を受けた酒店が蔵元に直接受け取りに来ます。

出荷前の神事では蔵人や酒店の人をはじめ、この「立春朝搾り」を飲む人の無病息災や家内安全などを祈願しました。こうして出荷される酒は立春の縁起物として喜ばれています。

(嘉美心酒造 藤井進彦社長)
「立春の日の朝にしぼり上がるように蔵人が大変苦労して仕込んだ酒です。さわやかな酸味、上品な香りうまみもあって嘉美心らしいお酒に仕上がりました」

春の訪れを祝う嘉美心酒造の「立春朝搾り」は岡山県内をはじめ、大阪や広島などに約4400本が出荷されました。