29日は旧暦の1月1日、旧正月。旧暦文化が色濃く残る沖縄本島内の一部の地域や離島では、新年を祝う光景がみられました。

海人のまち糸満市。夜明け前から、海の男たちが数人がかりで船に大漁旗を掲げ、ことし1年の豊漁と航海安全を願います。
▼漁師
「大漁旗はちょっと重たいのでみんなで協力して掲げました。ことしは(水揚げが)ちょっと少ないので、正月を迎えてこれから大漁で航海安全できたらいいなと思います」
漁港を華やかに彩る旧正月の風物詩。旗に込められているのは大漁祈願だけではありません。

漁師
「大漁旗だけじゃなくて子どもの成長も見ながら、船と一緒に成長してもらえたらありがたいなと思って」
▼漁師の妻
「安全に帰ってきてもらいたいというのが一番。安全航海でいつも帰ってきてほしいなと思いながら、帰りを待っています」
海の神様をまつる白銀堂では、ビンシーと呼ばれる米や酒が入った木箱を持った人たちが境内の御願所で手を合わせ、家族の健康を祈りました。
▼参拝に訪れた人
「上原家一族の30人あまりの健康祈願に参りました。見守ってください。ウニゲーサビラ」
「旧正月は糸満の旧暦文化のはじまりですから。新正月は大和正月、旧正月はウチナーの正月」
▼東京から帰省中
「僕の地元の氏神様なので、毎年来ます」
「みんな健康に元気にお守りくださいってお願いしました」
うるま市の浜比嘉島の旧正月行事「年頭拝み(ニントゥウガン)」には、島の内外から大勢の人が詰めかけました。

琉球開闢の祖神が住んでいたとされる洞窟「シルミチュー」が旧正月のこの日だけ開放されるのです。
ノロによる儀式のあと、訪れた人が無病息災や家内安全などを祈ります。
▼参拝に訪れた人
「初めてです。新しい年にするために来ました」
洞窟前の広場では、島の住民らが踊りを奉納し祖神を称えます。
最後に参拝に訪れた人も加わってカチャーシーを踊り、新たな年の始まりをにぎやかに祝っていました。