アメリカの株式市場に激震です。半導体大手・エヌビディアの株価が急落し、わずか1日で92兆円ほどの時価総額が失われました。その背景には中国企業の存在がありました。
ハイテク企業が多く上場するナスダック市場で27日、エヌビディアの株の終値は先週末と比べ16%下落しました。現地メディアによりますと、エヌビディアの時価総額は6000億ドル近く減少、アメリカの企業として過去最大の減少額です。
その背景にあったのが、中国の新興企業「DeepSeeK」が開発したという生成AIです。開発コストがおよそ560万ドルと、「ChatGPT」などこれまでの生成AIに比べてケタ違いに低かったと伝えられたからでした。
AI開発に欠かせない半導体も含め、巨額の設備投資こそがこれまで競争力の源だとされてきましたが、「DeepSeeK」の登場でAI開発競争の前提が一変するかもしれないのです。こうした懸念から、マイクロソフトなどにも売り注文が広がり、ナスダックの総合指数も先週末と比べ3%あまり下落しました
「DeepSeekはAIでのスプートニクの瞬間だ」アメリカの有名投資家は「X」にこう投稿。1957年に人工衛星の打ち上げで旧ソ連の先行を許した「スプートニク・ショック」になぞらえていて、その衝撃の大きさを物語っています。
一方、こうした事態にもトランプ大統領は強気の姿勢を崩しません。
アメリカ トランプ大統領
「中国企業『DeepSeek』による生成AIの発表は、競争に勝つためにさらに集中すべきだというアメリカのAI業界への警鐘として受け止めるべきだ」
そのうえで、「トランプ政権のもとで我々はハイテク企業を解き放ち、未来を支配することになるだろう」と強調しました。
「DeepSeek」など中国製AIの性能を依然、疑問視する見方もあるものの、米中両国のし烈な争いは今後ますます激しくなりそうです。
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