富山県の今年のスギ花粉の飛散開始日は、現時点で 2 月 19 日前後と予想され、例年(2 月 25 日)より 6 日早くなっています。

スギ花粉を放出する雄花は、冬期の低温を経験した後、毎日少しずつ成長して、一定の積算温度(日℃)に達すると開花して花粉を放出し始めます。このことから、スギの開花は1月と2月の気温に大きく左右され、この間の平均気温が高ければ開花は早まり、低ければ遅くなります。この開花のメカニズムを利用することによって、スギの花粉飛散開始日を予測することができます。

富山県によりますと、平野部の観測定点のスギ林から雄花の着いた枝を採取してきて、20℃に設定した人 工気象器を用いて実験した結果、1 月 20 日からの積算温度が 120 日℃で開花しました。よって、今後の気温が例年並み(平成 3~令和 6 年の平均値)に推移した場合、2 月19 日頃に開花し、花粉の本格的な飛散が始まると予想されます(図1)。

富山県より図①

これは、 昨年(2 月 17 日)より 2 日遅く、例年(2 月 25 日)より 6 日早い開花予想となります。 富山地方気象台によると、向こう2週間の気温は例年に比べ高めに推移すると予想されていることから、開花が早くなる可能性もありますので注意下さい。

今シーズンの花粉飛散量は、例年より「多くなる」と予想されており、平野部では 5,200 個/cm2 程度の飛散量が見込まれます。詳細は県森林研究所のホームページをご 覧ください。また、予想されるスギ花粉の飛散パターンは、図 2 のとおりです。

富山県より図⓶

一方で、日本気象協会、tenki.jpによりますと、関東など、スギ花粉がすでに飛び始めている所があり、2月に入ると花粉の飛散量も増えてきます。

今シーズンの花粉飛散傾向

2025年春の花粉飛散量は、例年(過去10年の平均)に比べると、九州から北海道にかけてのほとんどの地域で多く、四国・近畿は非常に多い所もあるでしょう。前シーズン(2024年)と比べると、九州から近畿では非常に多く、北陸・関東甲信と東北南部も多い予想です。東海は前シーズン並み、東北北部と北海道は少ないでしょう。

まだ花粉による症状が出ていない方も、早めに対策をしてください。