在沖アメリカ海兵隊のオスプレイが、伊江島周辺の海上に重さ400キロ以上の貨物を落下させていたことが分かりました。


▼愛久澤力也記者
「近くに住宅や牛小屋があるこの漁港の沖合に貨物が落下したとみられています」

沖縄防衛局や県によりますと、1月16日夕方、アメリカ海兵隊のオスプレイが伊江島補助飛行場で貨物をパラシュートで投下する訓練を行っていたところ、貨物が風に流され漁港から約300メートル海上に落下しました。

過去の投下訓練


貨物は食料が入った1.3メートル四方の立方体、重量は400キロから450キロで、けが人や船舶などへの被害は確認されていません。

アメリカ軍が周辺海域を捜索したものの発見できず、捜索を打ち切ったということです。

伊江島では2020年にもアメリカ軍がフェンスの外に物資を落下させるなど訓練中の事故が相次いで起きており、伊江村の名城村長は20日、沖縄防衛局の伊藤局長に伊江島補助飛行場での投下訓練の中止などを求め直接抗議しています。

伊江島では不安の声が広がっています。

▼住民
「陸だったらどうなっていたのか。海の上だからいいわけではないですけど。怖いですよね」
「上空を(オスプレイが)飛んでいるのがよく見えてそれはちょっと怖い。夜もよく音が聞こえて寝る時間でもヘリコプターの音が聞こえる。それもちょっとどうかと思う」
「この辺に落ちたらどうする?怖いよ。こういう演習はしない方がいい。米軍としては必要かもしれないが私たちに言わせればしない方がいい」

▼伊江村・内間常喜副村長
「過去にもあったので村民には不安を与えている。米軍に対して防衛局を通してしっかりと原因究明をしていただいて、今後こういったことがないようしっかりと訓練の安全性を担保するよう要請していきたい」

沖合に貨物が落下したとみられる西崎漁港を利用する伊江漁業協同組合の組合長も安全対策を訴えています。


▼伊江漁業協同組合・八前隆一組合長
「(訓練を)やるなと言ってもやらざるを得ない地域になっている。安心して島民漁民も含めて仕事ができるような環境は確保してほしい」

八前組合長は伊江島でパラシュート降下訓練が行われる際には海上にアメリカ軍が警戒船を配置しているとして、今後は貨物の落下訓練をする場合にも想定外の事態に備えた対策を徹底してほしいと訴えました。


▼玉城デニー沖縄県知事
「万万が一、民間の住民の方々が生活をしている場所に400キロもの物体が落ちてきたとなるとこれはもう相当な事故として取り扱われていたということも容易に想像されるわけで」

玉城知事は21日の定例会見でこのように述べた上で、原因を追求し再発防止に万全を期すようアメリカ海兵隊と沖縄防衛局に抗議する考えを示しました。

また、民間地でのパラシュート訓練など住民への危険を伴う訓練は実施しないよう文書や口頭で要請するとしています。

一方、県は今回の問題について発生した当日の16日に把握していながら21日まで公表していませんでしたが、その理由については貨物が落下した場所がアメリカ軍への提供水域なのかどうかなど詳細を確認していたためだとしています。