「非常戒厳」を宣言した韓国の尹錫悦大統領が逮捕されたと現地メディアが報じました。

歴代大統領が罪に問われる韓国 「帝王的大統領」の“強すぎる立場”

現職大統領として、韓国史上初めて逮捕されたユン氏ですが、韓国メディアの聯合ニュースなどによると、現在、大統領が収容されているのは、ソウル拘置所にある独房とみられています。

トイレやテレビ、寝具などは備わっているものの、6畳ほどの小さな部屋です。
ソウル拘置所の同じような独房には8年前、パク・クネ元大統領も収容されたとみられています。

韓国の財閥から、巨額な賄賂を受け取ったとして逮捕されたパク・クネ氏。
さかのぼると、その前任のイ・ミョンバク氏も収賄罪。
さらにその前任のノ・ムヒョン氏も、不正資金疑惑で捜査を受けている最中に自ら命を絶つなど、ここ5代の韓国大統領のうち、本人が無傷なのはムン・ジェイン氏だけなのです。

韓国の大統領は、なぜ多くがこうした末路をたどるのでしょうか。

そこには、大統領の強すぎる立場が指摘されています。
韓国大統領は、首相を任命できるほか、法案の拒否権から軍の最高指揮権まで、様々な権限を持ち、任期は5年の長きに及ぶ「帝王的大統領」とも呼ばれます。

このため、家族や側近も権勢を振るいやすく、不祥事が起きやすいとされます。

一方で政権交代を狙う反対勢力からは、批判の的になりやすく、保守派と革新派が、長年にわたり激しい政争を繰り返してきたのです。