援助を受ける側にもプライドがある

(当時の番組のナレーション)
「暗闇の中、懐中電灯の明かりだけで患者の傷口を縫い合わせていった」

被災地を奔走したAMDA。当時の活動で、支援する側の心の持ちようについて、得た気づきがあるといいます。

(AMDAグループ 菅波茂代表)
「援助を受ける側にもプライドがある。そこのところをくんで行動しないと。今あなたが困っているから私たち来ましたけど、今度将来私たちが困ったら来て下さいよと、『相互扶助』という考え方が一番良いというのがこの時分かったんですね」

「相互扶助」。現在の活動にも通じる精神です。

繰り返される災害。一方で、各団体の連携も強化され、支援のあり方は大きく進歩しました。避難所の運営にも関わっているAMDA。現在理事長を務める佐藤拓史さんは、「医療」という言葉のみに留まらない幅広いケアの大切さを改めて感じているといいます。

(AMDA 佐藤拓史理事長)
「食事の管理、血圧の管理、そういうことも含めて、そして少しでも、ストレスが緩和できるように。1年後2年後でも関連死は起こる。それはその当時のストレスがどれだけ大きいか。だからそういう数年後の関連死まで含めて、どれだけ安心してこの避難所で過ごせるか。そういうことのためにできることは見つけて何でもやりたい、やっていく。そういう活動がAMDAの活動だと思っています」

防災への備えとともに、心に留めておいてほしいこと・・・。

(AMDA 佐藤拓史理事長)
「災害医療はいろんな方と協力し合って、被災している人たちが少しでも安心できる場所を作る。みんなで作り上げる。そういうものだと思っているんで、できることは本当に皆さんにある」