実は今、自分の思いを「言語化できない」と悩む人が増えています。そこで、大ヒット“指南書”の著者に、言語化のコツを教えてもらいました。
「ヤバい」しか使っていないとヤバい
幻想的な青色の世界が広がる冬のイルミネーション。
点灯の瞬間に多くの人が口にしたのが…「ヤバいヤバい」「ヤバーい」。
特大クッキーが話題のお店でも、4人組女子の口から出たのは…「でっかくない?ヤバッ」「ヤバいヤバい」。
と、ついつい口にしてしまう「ヤバい」ですが、何が「ヤバい」のか説明できますか?

大学生(18):
「美味しくてもヤバいし、かわいくてもヤバいし、かっこよくてもヤバいし…」
大学生(22):
「難しい無理。“言語化”できない、ヤバいを(笑)」
「言語化」するために必要なこと
その<言語化>という言葉が今、話題になっています。

三省堂の「辞書を編む人が選ぶ今年の新語2024」の大賞にも選ばれ、SNSで誰もが<言語>で発信するようになったことで、タイトルに「言語化」と入った書籍も、ここ2年ほどで急増しているといいます。
中でも3万部でヒットと言われる新書で、異例の18万部を突破しているのが、
『「好き」を言語化する技術ー推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない』(出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン)

著者で、雑誌やWebメディアで本の評論も執筆している三宅香帆さん(31)は、「言語化には“コツ”がある」と話します。

三宅さん:
「人のSNSを見る前にメモをする。これが一番大事」
人の言葉に引っ張られないよう、SNSを見る前に「自分がそれを好きな理由」を細かく書き出す。そうすると具体的な言葉が見えてくるといいます。
言語化するための「メモ」どう書く?
例えば、三宅さんがお気に入りの「ゲルインキ・ボールペン」に対する気持ちを言語化する場合、メモに書きだした「推す理由」は、
〔1〕どこにでも売っている⇒コアなペンじゃなく、普通の文房具屋で売っている
〔2〕書きやすすぎる⇒異常なまでのなめらかさ
〔3〕本当にいいの!?と思うくらい安い⇒高くない!!いいの!?好き!!

ポイントは、【具体的に良い点(事実)】⇒【それについてどう感じたか(感想)】と、分けて書くこと。溢れ出た言葉を⇒以降に書き、“事実から一歩先へ深掘り”することが大切なんだそうです。

三宅さん:
「私は<言語化>=<細分化>だと思う。すごく上手く言い換えている人は、“どこが面白いのか”とか“どこが良いのか”きちんと説明している」