2024年10月、北海道江別市で20歳の男子大学生が集団暴行を受けて死亡し、少年を含む6人が逮捕された事件で、札幌家庭裁判所は7日までに、強盗致死などの非行内容で家裁送致された16歳から18歳の少年ら4人を検察官送致(逆送)することを決めました。

札幌家裁は、逆送となった少年ら4人について、18歳のアルバイト従業員の男を「自ら積極的に暴行を加え、終始犯行を主導」していたとして主犯格と認定し、厳しく非難しました。

◆札幌家裁の「逆送」決定要旨
札幌家裁の梶川匡志裁判長は少年ら4人の暴行について「一貫して無抵抗だった被害者に対し、長時間かつ執拗になされた相当強いもので、人を死に至らしめる危険が高いものである」と指摘。被害者は「およそ暴行を受けなければならないような落ち度がないにもかかわらず、少年らに長時間一方的に攻撃されて、金銭などを奪われた上、最終的に生命を落とした」と説明しています。

主犯格Eを乗せた警察車両(去年11月 札幌北警察署)

・主犯格の18歳アルバイト従業員の男について
梶川裁判長は18歳アルバイト従業員の男について「自ら率先して被害者に積極的に暴行を加え、金品を要求したり、他の共犯者に対して被害者の暴行を促したりと、終始犯行を主導。動機は身勝手極まりなく、酌むべき点は皆無であり、厳しい非難に値する」と強調。

事件の現場(去年10月 北海道江別市)

・他の3人について
17歳のアルバイト従業員は「金品を要求した上、被害者の顔面や腹部を手拳で殴る、頸部や後頭部を蹴るなどの強度の暴行を何度も繰り返した」、18歳の男子高校生は「主犯格の少年から指示されて被害者の背部に飛び蹴りしたり、逃亡しようとする被害者の首に自らの判断でハイキックをした」、16歳のアルバイト従業員は「腹部を強く蹴り、被害者に金銭を要求し、所持品を奪った」と暴行の関与を説明。