介護事業者の倒産が深刻です。2024年の負債額1000万円以上の倒産件数が前年より4割増え、過去最多の172件に達したことが東京商工リサーチの調べでわかりました。介護ヘルパーの不足や集合住宅との競合、基本報酬の改定などが影響しているとみられ、高齢化が進む中でニーズに対応できない事業者の倒産が今後も増加する可能性があると指摘しています。

これは、介護保険法が施行された2000年以降の介護事業者の倒産を集計した結果わかったものです。

それによりますと2024年の負債額1000万円以上の介護事業者の倒産は172件で、前の年に比べ40.9パーセント増えました。

介護事業者の倒産は2016年に年間100件を超え、コロナ禍での利用控えもあり増加、コロナ関連支援で2021年は一時的に減少したものの、2022年はデイサービスグループの連鎖倒産も重なり143件に達しました。2024年はさらに上回る172件に達し、事態は深刻になっています。

業種別では「訪問介護」が過去最多の81件、デイサービスなどの「通所・短期入所介護」は56件、「有料老人ホーム」は18件と、これら主な3つの業種でいずれも高水準でした。

東京商工リサーチによりますと、高齢社会が本格到来するなか介護事業者の倒産により介護が必要なのに適切なサービスが受けられない、いわゆる “介護難民” が生じるおそれがあるとしています。

その上で、介護事業者の中小・零細事業者と大手事業者との共存を見出しながら、事業存続のための効率化や協働化などの支援が急務と指摘しています。