「おおやま病院介護医療院」で、60歳の女性介護士による利用者への虐待があったとして富山市は25日、3か月間の新規受け入れ停止と介護報酬3割減額の行政処分をしたと発表しました。

1月1日から3か月間の新規受け入れ停止及び介護報酬の3割減額の行政処分を受けたのは、富山市の医療法人社団「東方会」が運営する介護施設「おおやま病院介護医療院」です。

富山市によりますと、今年7月に施設側から正式に報告があり、市が8回にわたり立ち入り調査を行い確認しました。

それによりますと、60歳の女性介護士が複数の利用者に対し、頭や手をたたいたり「調子に乗るなよ」「どこでも行きやがれ」といった暴言をはくなどの虐待行為が確認されたということです。

また、ナースコールを取れないようにしたり、腕を押さえつけたりしたとされています。

さらに、女性介護士の虐待について、施設側が兆候を把握していたにも関わらず、管理的立場の職員が有効な防止対策をとらなかったことも確認されたとして、富山市は来年1月1日からの3月31日までの3か月間、新規受け入れ停止及び介護報酬3割減額の行政処分としました。

「おおやま病院介護医療院」は、利用者の定員58人、富山市の旧大山地区の地域医療を担う病院として平成14年(2002年)に開院しましたが、比較的介護度が高く、長期療養が必要な利用者を受け入れています。

富山市の行政処分に対し施設側は「事態を大変重く受け止めている。利用者に申し訳ない。職員教育を徹底し、報告態勢を見直す」としています。

虐待を行ったとされる女性介護士については、富山市に報告した時点でけん責処分とし、利用者と接触させないようにしたほか、11月上旬に部署を異動させたとしています。