70年前、ビキニ環礁で行われたアメリカの水爆実験をめぐり、高知県内の元船員らが国に損失補償を求めている裁判で、24日新たに原告に当時船員だった男性1人が加わりました。
1954年にアメリカが太平洋のビキニ環礁で行った水爆実験では、第五福竜丸や県内の漁船270隻など多くの船が被ばくしました。
現在、被ばくした県内の元船員や遺族などは、「日米合意によりアメリカに損害賠償を請求する権利が失われた」として国に補償するよう求めています。

24日の裁判では、実験当時、周辺海域にいた「第二幸成丸」の元船員で同乗していた友人を被ばくした可能性で亡くしたという久保尚さん(88)が新たに原告として加わりました。原告の人数はこれで20人になりました。
(新たに原告に参加 久保尚さん)
「検査を、個人個人で差があったけどね。それをきちっとやってこなかったということですね。そしたら私の友達も亡くならずにすんだと思います。それが一番悔しいですね」
これまでの裁判で国側は、「日米合意から20年という除斥期間が経過しているため、損失補償の請求権は消滅している」などと反論しています。
次回の裁判は2025年4月25日に行われる予定です。