岡山県倉敷市にある、「屋根にたくさんの犬の置物が載っている店」をご存じでしょうか。

その店に最近、ひときわ目立つ1匹が仲間入りしました。多くの人の目を惹きつけるその1匹は、犬を愛する人どうしの心温まる交流がきっかけで生まれました。

“ビクター犬”だらけの店 新登場した「巨大犬」の正体は

大原美術館や倉敷アイビースクエアなどが立ち並ぶ地区にある、こちらの店【画像①】。屋根の上に所狭しと並んでいるのは、犬・犬・犬!近くを通った観光客も思わず写真に収めます。

【画像①】

(静岡からの観光客)
「こんなの見たことないです。びっくりしました」

独特の雰囲気を放つコレクションの数々。ここは「倉敷山陽堂」という骨董品を扱う店で、全国の古美術・骨董好きからも知られている有名店です。

屋根の上に飾られているのは、音響・映像機器メーカーの「日本ビクター」のキャラクターで知られる“ビクター犬”。最近、新たな仲間が加わり、話題を集めています。

(砂山祐佳里記者)
「私、身長160cmあるんですが、優に超えています」【画像②】

【画像②】

(倉敷山陽堂 安田富亘さん)
「計測すると2m70cm、3m近くあります」

強化プラスチック(FRP)で出来た巨大な犬。この作品を作ったのは、香川県坂出市の芸術家・只野恵一郎さんです【画像③右】。倉敷山陽堂の店主・安田富亘さん【画像③左】との出会いは約25年前。そこにも「犬」が絡んでいました。

【画像③】倉敷山陽堂の店主・安田富亘さん(左) 芸術家・只野恵一郎さん(右)

(安田富亘さん)
「(只野さんが)ものすごく大事にしていた犬が亡くなって」

愛犬を亡くした悲しみの中、只野さんが旅の途中で出会ったのが…。

(安田富亘さん)
「たまたま変な店があると。屋根の上に“ビクター犬”がのっている。それを見てお店に入ってきたんです」

「『あなたも“ビクター犬”が好きなんですか』っていうから、僕は『大好きですよ』って」

犬と音楽が好きだったことなどから、“ビクター犬”を好きになった安田さん。関連グッズも含め骨董市やオークションで見かけるたびに集めるようになって約45年。

中でも思い入れが強いというのが、つぎはぎだらけの一頭【画像④】。只野さんにまつわるエピソードがあるといいます。

(安田富亘さん)
「当たって下に落ちたんです。これは私が大事にしていた犬なんで、その時はショックだった。バラバラになった破片を集めて、作家の只野さんに見せたら、『僕が直す』って。すごいでしょ?」

【画像④】