「魂のピアニスト」として世界的に知られるフジコ・ヘミングさんのコンサートが、2023年6月23日に岡山市北区の岡山シンフォニーホールで開かれました。
今年、亡くなったフジコ・ヘミングさんを、心を揺さぶる演奏とインタビューで振り返ります。
(2023年の記事再掲 3回シリーズのうち第2回/第1回から続く)
【動画】ではラ・カンパネラ【リスト】の演奏をご覧いただけます。
(「RSK70周年記念ベルリン交響楽団withフジコ・ヘミング」より)

フジコさんは、ヨーロッパで才能を認められながらも、コンサートの直前に聴力を失うという悲劇に見舞われ、不遇の時を過ごしました。その後、左耳の聴力が回復し、ピアニストとして再び日本で活動していた1999年、波乱に満ちた半生がテレビドキュメンタリーで描かれ、脚光を浴びました。
戦争の悲しみや、聴力を失ったことによる失意などを乗り越え歩んできたフジコさんの演奏は、聴く人の心を揺さぶります。
(フジコ・ヘミングさん)
「私のトルコ行進曲を聴きに、わざわざカナダからやってくる人もいるね。私、カーネギーホールでの演奏は昨年もチケットが全部ソールドアウト(完売)だったけど」
「パリもソールドアウト、ブタペストもソールドアウト。岡山もソールドアウトになっているから、とっても嬉しいです。みんな手紙で私の『音色、音色』って書いてくるから」

「私は太い指をしているでしょう。これがまたすごくいいんです。細い綺麗な手をしている人はカチカチの音しか出ないから」

(RSK 小林章子記者)
「柔らかいですね。お肌もすべすべです」

(フジコ・ヘミングさん)
「それから性格を和らげること。人を絶対に傷つけないように。どんな嫌いな人でも威張っている人でもうぬぼれている人にでも、あざ笑うようなことはやらないほうがいいです」
(3回シリーズの第3回に続く)