国会では午後、今年度の補正予算が成立しました。自民党は28年ぶりに予算案の修正に応じたほか、政治改革をめぐっては野党の案を丸呑みするなど、“自民一強”時代の終わりを印象づけています。
午後5時前、石破政権で初となる予算の成立を受け、深々と一礼した石破総理。ただ、成立の裏では少数与党として多くの譲歩を迫られました。
▼国民民主党が主張する年収「103万円の壁」の引き上げや、▼日本維新の会が求める教育無償化の協議を開始することで合意したほか、▼立憲民主党の求めに応じ、28年ぶりに予算案の修正もおこないました。
こうした状況に党内からは諦めの声も…
自民党中堅議員
「単独過半数に届かないってことは、こういうことだよね」
衆院選での敗北で“自民一強”時代が終わり、野党ペースで進む臨時国会。焦点の政治改革をめぐっても、自民党は政策活動費を廃止する一方、“外交上の秘密などを守るため、非公開に出来る支出は必要だ”と重ねて主張してきましたが、野党の理解が得られず、撤回に追い込まれました。
石破総理は、少数与党の苦しい胸の内をこう明かしました。
立憲民主党 川田龍平 参院議員
「石破茂総理が一生懸命熱弁をしていた公開方法工夫支出について、あの熱弁は何だったのか、撤回したことについて一言お願いします」
石破総理
「私ども少数与党でございますので、自分たちが言ってきたことが、そのまま通るという状況にないことも承知しております。お前の熱弁は何だったのかと言われますが、あの考え方は私は今も全く変わっておりません。そうあるべきだと思っております」
結局、政治改革の3つの法案は自民党が野党案を丸呑みすることなどで、きょう衆議院を通過し、成立する見通しとなりました。
一方、政治とカネをめぐる問題の発端となった派閥の裏金事件をめぐっては、きょうから衆議院の政治倫理審査会が始まり、稲田元防衛大臣らが弁明しました。
自民党・安倍派 稲田朋美 元防衛大臣
「不記載問題で政治に対する信頼を大きく損ねたことについて、申し訳なく思っております。還付制度についても知りませんでした」
きょうは4人が弁明に立ちましたが、いずれも“派閥からの還流(キックバック)は知らなかった”と話すなど、真相は明らかになっていません。あすの審査会には安倍派の元幹部だった萩生田元政調会長が出席します。
国会の会期末まであと4日、小幅延長も取りざたされる中、与野党の駆け引きが続いています。
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