ノーベル平和賞の授賞式から一夜明けた11日、ノルウェーのオスロでは被爆者たちが若者に原爆の体験を語る証言活動をしました。日本被団協の代表団はオスロを発ち、帰国の途につきました。

日本被団協の代表団として広島から参加した被爆者の田中聡司さんは、韓国とブラジルから代表団に加わった被爆者らと一緒に地元オスロの高校生たちに被爆体験を証言しました。

広島や長崎から訪れた高校生平和大使の呼びかけで実現しました。

在ブラジル原爆被爆者の会 理事渡辺淳子さん
「(被爆者は)皮膚が焼かれて爪に垂れ下がり、自分の目がぶら下がり、自分の腸がぶら下がってそれを持ちながら歩いて水を求めたのです」

また田中さんは、「今回の受賞を力に、日本政府や核保有国を核兵器禁止条約に近づけていこう」と決意を語りました。

現地の高校生
「被爆者の証言を聞くのは初めてでいい経験になりました。実際に原爆を体験した人が話しているとまったく違う気持ちになりました」
「証言を聞き核兵器が世界に与える危険性だけでなく市民にどんな悲劇をもたらすのかについても知れた」

ON主催したNGO団体
「世論はすでに大きく変化しています。少なくとも核兵器に反対する声は大きくなっています。私たちはすでに希望の波に乗っています」

一方、今回の受賞を記念して現地では「平和賞展」が始まり、箕牧智之代表委員ら3人がオープニング式に出席しました。

館内には被爆者の肖像写真や被団協の年表、原爆の絵などが展示されていて、来年の11月まで開催されます。

全ての行程を終えた被団協の代表委員が取材に応じました。

箕牧智之代表委員
Q印象に残ったのは?「当日委員長から賞状もらった時。涙がぽろっと出ました。(広島に)帰ったら来週あたり慰霊碑に行こうと思っています」

代表団は12日オスロを出発し、13日に帰国する予定です。