単語を入力してわずか1分で画家が描いたような絵が完成。ファンタジーのような幻想的な城に、まるでSFの世界まで…話題の画像生成AI「ミッドジャーニー 」は絵描き仕事を奪うのでしょうか。絵を描くAIの可能性と課題を考えます。

■「神絵が1分で完成される」 画像生成AIとは


秋の温泉宿に、露天風呂。
理想郷をテーマにしたという絵や、まるで一眼レフカメラで撮影したようなポートレートも。


これらの絵は「ミッドジャーニー」という画像生成AIで作られたもので、ネット上で誰でも利用することができます。
SNSでは「神絵が1分で生成される。参った」「もう人間は絵を描かなくてもいいんじゃないか」という声も。


使い方は、描きたい絵をイメージして単語や文章を英語で入力するだけ。
ということで、国山ハセンキャスターも体験してみました。
描きたいテーマは“海と砂浜”に決めました。早速「オーシャン」「サンドビーチ」と入力。すると…

国山キャスター
「これすごいよ。これすごいよ!これすごいよ!!」


わずか数分で「海と砂浜」の絵が完成しました。ただ、少し納得がいかないようで…

国山キャスター
「もう少し“爽やかな絵”が欲しいですね」

「ブルー」「スカイ」などの単語も加えて再チャレンジ。試行錯誤すること、約30分。


爽やかな青空のもとに広がる海。太陽に照らされ、キラキラと輝いています。

国山キャスター
「本当に単純に単語を打っているだけなんですけど、それでここまでの作品が出来上がるというのは驚きですね」

■スピードとクオリティはあってもAIには描けないもの



絵を描く職業の人はどう感じているのでしょうか。
イラストレーターのらいすさん(24)。先日、試しにAIを使ってみたところ…

イラストレーター らいすさん
「びっくりしましたね、絵を描いている身からするとすごいことだと思います」


この幻想的な絵は、5分から10分程度で完成したといいます。

――自身で描こうと思ったらどのくらいの時間がかかる?

イラストレーター らいすさん
「1日以上かかりますね。自分でこの情報量を描こうと思ったら大変です」

作品を完成させるスピードとクオリティに驚きを隠せない、らいすさん。
ただ“AIでは描けないもの”があるといいます。

イラストレーター らいすさん
「絵にこめる“想い”みたいなものですかね。(AIは)想い、感情が乗っていない。ただクオリティが高い絵になっている感じがしますね」


そこで、らいすさんはイラストの背景にAIを活用することに。
例えば、“森の中のお茶会”をテーマに、AIが生成した絵。その上に、自身のキャラクターを描いていくとご覧の作品に仕上がりました。


イラストレーター らいすさん
「絵って上手いだけじゃ評価されない、人に好かれないというのがあって、個性や思いという部分に人が惹かれるっていうのが絵だと思っているので、人に惹かれる絵をAIだけで作るのは難しいんじゃないかなと思っています」