受け取り方が違うとダメですか?

そもそもこの記事は「君が編集をしてきて印象的だったシーンを書こう」と先輩の一言から書き始めている。何日か考えてはみたものの、番組タイトルが生まれた瞬間が個人的には最も印象的な出来事だった。様々な想定をして取材をしたのに、かっこいい撮影ができるように工夫したのに、ベストなナレーションを考え続けたのに、BGMも直前まで悩んだのに。

結局、このタイトルを決めた時のことが自分にとっては最も印象的だったように、きっとこの番組を見ていただいた人にとっても、何が印象に残るかは人それぞれなんだと思う。こちらの伝えたいことが伝わり切らないかもしれないし、意図しない受け取られ方をしてしまったり、切り抜かれてしまったり。

逆に、私たちの想像を超えた何かが生まれるかもしれない。でも、それでいいと思う。それがいいとすら思う。どう感じていただけるかは受け手の自由であり、どう伝えたいかは、こちらのエゴですらあるのだから。そういった意味では、端的なメッセージを番組タイトルに込めることが出来たのは良かったと思っている。

私も小学校から大学まで野球をしていた。大した実績はなく平凡な野球人だったが、中学生くらいまではプロ野球選手になるのが夢だったのもあって「自分に夢を与えてくれたプロ野球に関わる仕事がしたい」「プロ野球選手の凄さを伝えたい」そう思って今の道に進んだ。でも、佐竹さんの取材をしてきて気付いたことがある。社会人野球は面白いということ。野球をしていた人間にとって、プロ野球に進むことだけが成功なのだろうか?