「再び地域の特産品にしたい」 地元農家に加わった仲間とは

(二川地域に住む遠藤正明さん)
「一夜漬けたのを食べようるんですけど、シャキシャキ感があって、辛みも少しあります。おいしいですな、あっさりして。漬け菜のイメージでずっと前から皆さんが食べてこられた野菜なんで」

柔らかく、生でも食べられますが、少し辛みもあることから、地元では漬物によく使われているそうです。「この土居分小菜で地域おこしが出来るのではないか」思い立ったのが、二川地域で約20年前から栽培をしている遠藤正明さんでした。

(土居分小菜の生産者 遠藤正明さん)
「二川地域の特産野菜の一端に当たるんじゃないかと言うことで、地域を土居分小菜によって少しでも盛り上げができりゃいいんじゃないだろうかないうことで」

人口419人、その半数以上が高齢者という地域で、昨年まで地域の活性化を進める「二川ふれあい地域づくり委員会」の会長を務めていた遠藤さん。土居分小菜を地域の特産品として活用しようと、仲間と一緒に栽培を続けてきました。今では10戸ほどの農家が栽培をしています。そこに今年、強力な仲間が加わりました。

「大学生がメインとなって、土居分小菜を広めていこうという活動をしております」

ノートルダム清心女子大学の食品栄養学科の学生たちです。岡山県が実施する、地域活性化事業の一環で、学生たちは二川地域に通い、地域の人たちと一緒に土居分小菜を育てているのです。

この日は収穫を行い、さらに他の葉物野菜との比較や成分調査なども実施しました。

(学生)
「この野菜のこと知っていました?」
「いや、知らなかったです、これに携わるようになって知りました」

「全く(土居分小菜を)知らない人に説明するとしたら、ほうれん草とか小松菜に似ているやつっていつも言っています」

学生たちは今後、オリジナルレシピを作り、イベントで二川地域の伝統野菜としてPRをしていく予定です。

(土居分小菜の生産者 遠藤正明さん)
「多くの方にお世話になって、少しでも土居分小菜の良さが発信できると同時に、地域が少しでも生き残れるような地域であってほしい。万能選手なんよ、土居分小菜は。大勢の人に喜んでもらえるんじゃないかなぁと思いますけど」

江戸時代から地域の生活の中で受け継がれてきた土居分小菜。若い世代の力も借りて、伝統野菜は未来に伝えられていきます。
(スタジオ)

ー土居分小菜は漬物にしたり、ちくわなどと一緒に炊いてもおいしいのですが、油との相性がいいので、オリーブオイルでベーコンと炒めるのもおすすめなんだそうです。

ノートルダム清心女子大学の学生は、イベントで土居分小菜を使ったチヂミを販売、11月頃に二川地域で開催される地域イベントで提供するそうです。