2025年1月19日に投開票される宮古島市長選挙。現職を含む5人が立候補を表明し、候補者乱立の様相を呈している。現職の1期4年の評価が問われるとともに、高騰する住居費への対策や、先島諸島を中心とした自衛隊の機能増強、いわゆる「南西シフト」への姿勢が争点となりそうだ。

前回2021年の選挙は、自民・公明勢力が支持した下地敏彦さんと、玉城知事を支えるオール沖縄勢力や一部保守系が支持した座喜味一幸さんの一騎打ちの構図だったが、今回は状況が大きく異なる。

今年9月。自民党や経済界を中心とした保守系の勢力は候補者一本化のための選考をスタートさせたが、選考委員会が約1か月で解散してしまった。

今年6月の県議選では宮古島市区の2議席を保守系が獲得していて、勢いそのままに市長選に臨みたい… ところだったが、複数の関係者によると、選考過程で一部の立候補希望者に極端な評価がなされ、公平な選考が行われる状況ではなかった。

これが尾を引き、現在まで保守系候補は一本化されないまま、3人が立候補を表明している。

3期、7年10か月務めた市議を辞して市長選に立候補するのは、前里光健さん。

前里光健さん

▽前里光健さん
「多くの宮古島市の課題。市議会議員として見てまいりました。様々な課題を解決するために私は今回チャレンジする」

下地明和さん


元県庁職員で、商工労働部長などを歴任した下地明和さん。

▽下地明和さん
「私の経験や人的ネットワークで、ふるさと宮古島市の発展に尽力していきたいとの思いから、市長選挙への出馬を決意した」

嘉数登さん


前副市長の嘉数登さんも立候補を表明している。

▽嘉数登さん
「地域のリーダーが代われば、街が変わる。「市民と共に」をモットーに全身全霊を傾けて、取り組んでまいりたい」

一方で現職の座喜味さんも、「道半ばの所得向上のための施策に取り組む」として先月、出馬を表明した。

▽座喜味一幸さん
「4年間で明らかとなった課題、全身全霊で取り組みますことをお約束申し上げ、出馬表明とさせていただきます」

座喜味一幸さん

座喜味さんはオール沖縄勢力と一部保守系らで組織する「ワンチームみゃーく」によって当選した4年前の再現を狙う。

一時は、「ワンチームみゃーく」で座喜味市長誕生に尽力した前県議の国仲昌二さんが市長選に意欲を見せていたため、かつての共闘体制も分裂するかと思われていた現職側。しかし国仲さんは5日RBCの取材に対し、市長選には立候補せず、市議補選に出る意向を示した。現職側は一本化にこぎ着けた格好だ。

宮古島市長選にはこのほか、県内と神奈川で会社を経営する豊見山徹さんが無所属で出馬する意向を示している。

“乱立” のままか? 保守系候補の絞り込みはあるのか?

国仲さんの辞退で現職側はまとまったが、自民党や経済界などが支持する保守系は割れたまま。

候補者を選ぶはずの選考委員会が解散する異例の事態を経て、現段階で3人が出馬を表明する状況が続く。

保守系候補はこの3人から今後絞り込まれることがあるのか、投票日まで残り約1か月半の動きが注目される。