去年5月、松山市内の飲食店で無銭飲食をしたとして詐欺の罪に問われていた男性に、松山地裁はきのう無罪の判決を言い渡しました。

無罪の判決が言い渡されたのは、本籍が長崎市で住所不定、無職の59歳の男性です。

判決などによりよますと、男性は去年5月、松山市内のスナックで5000円のセット料金と、追加で2万円のブランデーを注文していたにも関わらず、代金を支払わなかったとして、詐欺の罪に問われていました。

きのうの判決公判で、松山地裁の渡邉一昭裁判官は、男性が事件当日の朝、およそ9万円所持していて、スナックを訪れるまでに立ち寄った飲食店では代金を支払っていたことや、5000円のセット料金を支払うだけの残金はあったと指摘。

2万円のブランデーを追加したことについては、「酒に酔って支払えると勘違いした疑いがある」と認定した上で、人を欺く意図はなかったと判断し、検察側の主張を退け無罪判決を言い渡しました。

男性の裁判を担当した弁護士は。
五十崎元弁護士(崎はたつざき)
「無罪判決を聞いてほっとしたという思いがあるのと、裁判官の(判決)理由を聞いて、かなりちゃんと分析を頂いて、無罪の判決を頂いたと受け止めている」

また、男性が、1年半以上にわたり身柄を拘束されていたことから代理人の弁護士は検察側に控訴しないよう求めています。

一方の松山地検は「内容を十分検討し適切に対応したい」とコメントしています。