子どもたちが自由な発想で遊べる場をつくろうと、静岡県沼津市の有志たちが「プレイパーク」と呼ばれる遊び場を企画しました。公園のような遊具がないプレイパークは自ら遊びを生み出す空間です。

自分で工具を使う子どもたち。好奇心のまま自由に遊びます。週末、沼津市で開かれた「はぐぬまプレイパーク」です。

<はぐぬま メンバー>
「きょうね、ここは自由になんでものびのび遊んでいいところです。人を傷つけること以外は何しても大丈夫!OK?分かった人?」

プレイパークは、「冒険遊び場」とも呼ばれ、通常の公園のような遊具はなく子どもたちの発想力で作り上げていく遊び場です。1940年代に北欧で始まり、日本では1970年代から各地に広がりました。はぐぬまプレイパークを企画したのは東京から沼津市に移住した菊地悠子さんです。

<はぐぬま 菊地悠子代表>
「この場所でどうやって子育てしたらいいか、まっさらだったんですよね。子どもがどういう場所で育ったら楽しいだろうか、豊かに成長できるだろうかとか。正解を持っているわけではないからこそ、いろんな人と話しながら、共有していきたいなと」

菊地さんは2021年に子どもの育つ環境を考える団体「はぐぬま」を立ち上げました。2023年、神奈川県川崎市のプレイパークを舞台にした映画を上映し、来場者から沼津市にプレイパークを求める声が上がりました。

<はぐぬま 菊地悠子代表>
「お集まりいただいてありがとうございます。きょうは滑り台と落ち葉プールをつくります」

菊地さんや有志のメンバーはプレイパークの研修や講座を受け、半年間かけて準備を進めてきました。

<はぐぬまメンバー 鈴木歩美さん>
「こういう場があるよっていうのが伝わったら、普段の公園遊びとかも、みんな余計な口出しをしないでいられる、みんなで見守る公園みたいな、地域のお母さんみんなで遊びを見守るみたいなのができていったらいいなと」

プレイパークでは親は手だしや口出しを控え、子どものやってみたいという気持ちに寄り添います。工具を使ったり、焚火をしたり自分の責任で自由に遊ぶことを学んでいきます。

<母親>
「今までなんか接着剤も使ったことなかったし、ノコギリとかトンカチとかも触ったことなかったので、すごいいい体験になった」

<母親>
「周りの大人の目とかそういうのも気にしなくていいので、すごく助かります。自由に遊ばせてもらって、すごくありがたい環境」

2日にわたり開催した「はぐぬまプレイパーク」には約500人が訪れました。

<はぐぬまメンバー 下山田知沙さん>
「私たちが大事にしたいと思っていることを、やっぱりいいなと思ってくださる方が来てくれたのかなって。ありがたいなって」

<はぐぬま 菊地悠子代表>
「沼津って環境の中での子育てを、自分たちになりにも作る側になりたいみたいな。まずはやってみようと」

子育て支援団体「はぐぬま」では地域との関わりやさまざまな価値観を大切にして、今後 大人も子どもも楽しめる常設の居場所づくりを目指していくということです。