絶滅危惧種の中で、1番危険度の高い「絶滅危惧I類」に分類されている“ヒラコベソマイマイ”というカタツムリをご存じだろうか。世界中のどこを探しても、高知県南国市の、一部地域にしか生息していないカタツムリだ。その数、100匹程度。大きな危機に見舞われながらも、のんびりと暮らす小さな生き物を、カメラが追った。
■世界に100匹…絶滅危惧種の“カタツムリ”
高知県南国市の、稲生地域のみに生息する“ヒラコベソマイマイ”。殻の長さが約2センチで、落ち葉などの植物を食べていると考えられている。一見、どこにでもいそうなカタツムリに見えるが、殻の一番外側に薄いオレンジの筋が入っていて、殻がやや平べったいのが特徴だ。

高知県によると、生息数は「100匹程度」と考えられていて、あのパンダよりも少ない、希少な生物だ。今回、専門家による生息調査に同行した。

▼わんぱーくこうちアニマルランド 山崎博継さん
「おはようございます。今日はよろしくお願いいたします。」
わんぱーくこうちアニマルランドの飼育員、山崎博継さん。20年以上前から高知県内にいる、さまざまなカタツムリの生息調査をしている、『カタツムリのプロフェッショナル』だ。背丈よりも高い草をかき分け、進む山崎さん。ただの雑木林に見えるが、ここに、ヒラコベソマイマイが生息しているという。


この日の調査では、落ち葉の下や石の間などを1時間ほどくまなく探したが、残念ながら見つけることはできなかった。
■生息調査(2回目)ヒラコベソマイマイの痕跡が…
それから1か月後、再び挑戦。調査を開始してからおよそ15分、ヒラコベソマイマイが確かに生息している痕跡を発見した。
▼山崎さん
「ヒラコベソマイマイの、たぶん死骸やと思われますね。ここまで白くなっているとかなり月日が経っているんで…。石の下や倒れた木の裏側に張り付いている場合がほどんど。これくらい明るくなってしまうと、なかなかぱっと見えるところで姿は見せてもらえませんね。」

さらに調査を続けると…

▼山崎さん
「これも、ほぼさっきと同じ形ですよね。ヒラコベソマイマイですね、大きさも形も。こういうもので新しいものがあったら生きているな、このへんにまだおるなと確認できますね。」
その後も調査を続けたが、残念ながらこの日も生きている姿を見つけることはできなかった。果たして、無事に生息しているのだろうか。