14日、イギリス・エリザベス女王のひつぎはバッキンガム宮殿をあとにし、ウェストミンスターホールに移されました。葬列にはチャールズ新国王や、新国王の長男・ウィリアム皇太子らロイヤルファミリーが参加しました。このあと4日間、一般市民が弔問できるようになりますが、現地メディアは「35時間並ぶことになる可能性もある」と報じています。
■エリザベス女王 一般弔問「35時間待ちの可能性も」

バルコニーから手を振るエリザベス女王。
2022年6月、在位70年の記念行事では王室メンバーが勢揃いし、多くの国民から祝福されました。イギリス国民だけでなく、世界中で親しまれた女王。96年の人生は、国民に寄り添い続けたものでした。

日本時間の14日、午後10時半ごろ、女王のひつぎは一般市民の弔問を受けるため、バッキンガム宮殿をあとにしました。

バッキンガム宮殿は、ロンドンオリンピック開会式でのジェームズ・ボンドや、「くまのパディントン」との共演の舞台にもなり、女王が長年暮らしていた場所です。
女王のひつぎは馬が引く砲車にのせられ、その後ろには、チャールズ新国王や、新国王の長男・ウィリアム皇太子、次男・ヘンリー王子の姿が。

王室を離脱したヘンリー王子は、軍服ではなくモーニングスーツでした。現役の王室メンバー以外は軍服の着用が認められていないためです。
沿道には多くの市民が集まり、葬列を見守っていました。

市民
「この数日間の気持ちをどうやって言い表せばいいか。とても悲しい出来事です。この国や国民にとって、特に王室一家にとってもね」
市民
「(葬儀の)行列や制服、馬、衛兵など全てがまさに歴史そのものです。ここに来られて良かったです」

葬列はバッキンガム宮殿からテムズ川沿いの国会議事堂が入る建物の中にあるウェストミンスターホールへ向かいます。ロンドンの観光名所である時計台「ビッグベン」、正式名称「エリザベスタワー」の付近を通り約2キロの道のりをゆっくりと進みます。

「ビッグベン」付近を通過する際には、追悼の鐘が響きました。ウェストミンスターホールでは19日の朝まで一般市民の弔問を受け付けます。
テムズ川沿いには、市民が夜を徹して長い列を作っていました。
弔問に訪れた市民
「このような機会だから、私たちは一晩中ここにいられて幸せです」

弔問に訪れた市民
「一睡もしていませんが、とても楽しいです」
イギリスメディアは。
英紙・インデペンデント
「弔問には最大100万人が訪れることが予想され、35時間並ぶことになる可能性もある」

19日には、道を挟んで向かい側にあるウェストミンスター寺院で国葬が営まれる予定です。

ウェストミンスター寺院は、女王が1947年にフィリップ殿下と結婚式をあげた場所。その後、25歳で即位した女王の戴冠式が行われた場所でもあります。