歴史的な水準となっている円安。14日も外国為替市場では一時1ドル144円台後半まで急落しました。街では外国人旅行者が“爆買い”する姿も…。また、円安や原材料高騰でアパレル各社が値上げを発表する中、「一切値上げしない」、全品の価格維持をうちだした会社があります。

■円安一時1ドル145円目前 “爆買い”も…

東京・秋葉原。家電製品のほか、アニメやマンガの関連グッズを求め、日々この街には、世界中から人々が集います。

アメリカから来た男性(40代)
「たくさんの初音ミクを買いました」

アメリカから来たという男性が見せてくれたのは、買ったばかりの“初音ミク”の人形です。

アメリカから来た男性
「(円安は)僕にとっては、とても助かる。いろんなグッズを買ったよ」
      
銀座で出会ったのは、デンマークからきたという50代の夫婦。

デンマークから来た夫婦
「日本の(顔用の)パックです。デンマークで買うより、日本製品を安く手に入れられる」

他にも足の角質ケア商品など、20点ほど購入したといいます。



歴史的な水準となっている円安。14日、円相場は一時、1ドル=145円目前となる場面もありました。



外国人旅行者が円安の恩恵を受ける一方、対応に苦しんでいるのがアパレル各社です。

■ワークマン「値上げしない」円安がアパレル業界直撃も


そんな中、作業服大手のワークマンは、2023年の2月まで、全品一切値上げしないと発表しました。

ファーストリテイリング 岡崎健CFO(今年7月)
「一部商品について値上げさせていただく」

ユニクロは秋冬物の約2割を値上げし、GUや「しまむら」も円安や原材料高の影響で一部で値上げをするといいます。

ワークマン 土屋哲雄 専務
「為替で円安になったから、2割値段を上げますというのは、ワークマンのミッションといいますか、会社の存在理由に反する」

なぜ、ワークマンは価格を維持できるのか。流行に左右されないワークマンは、工場の閑散期に大量発注するなどでコストを削減。円安の影響をギリギリ吸収できたといいます。

値上げを避けるのには、過去の苦い経験があります。

ワークマン 土屋哲雄 専務
「リーマンショックが明けたとき、やっぱり円安になった。そこで作業パンツ980円。これを1208円に上げたんですよ。そしたらですね、需要が激減した」

それでも、2023年の春夏は上位300商品のうち10商品を値上げするとしています。

ワークマン 土屋哲雄 専務
「崖っぷちに来ていて、これ以上円安が進むと、結構苦しい」

為替介入について鈴木財務大臣は…

鈴木俊一 財務大臣
「これは例えば予告的にやるものではありません。そしてやったかどうかも普通は言わない。やるときは間髪入れずに、瞬時に行うということだと思う」

鈴木財務大臣の発言を受けて円が買い戻される場面がありましたが、先行きは不透明です。