外国人留学生を鎖で拘束するなどの人権侵害があったとして、福岡市の日本語学校が国からの認可を抹消された問題です。鎖で拘束されたベトナム人男性が「動物のように扱われた」と当時のいきさつを語りました。
「言うまで一緒。教えて早く」
留学生を鎖と南京錠で拘束し、在留カードとパスポートの保管場所を聞いているのは、日本語学校の男性職員です。他の職員たちの笑い声も聞こえます。
拘束されたベトナム人留学生、チャン・マウ・ホアンさんが当時の状況を証言しました。
鎖で拘束されたチャン・マウ・ホアンさん
「私がトイレに行きたくても行かせてくれず、人間なのに動物みたいな扱いをされて本当に苦しかったです」
日本で自動車関連の仕事に就くことを目指して、おととし福岡市南区の日本語学校「西日本国際教育学院」に入学したチャンさん。学校の教育環境は、想像と大きくかけ離れたものだったと言います。
鎖で拘束されたチャン・マウ・ホアンさん
「学校の授業は、勉強に集中できるような雰囲気ではなく、生徒たちは授業中でも自由に遊んだり、居眠りをしたり、先生たちもほとんど教えていないんです。転校したいと思っていました」
問題の鎖による拘束は、転校を考えていたチャンさんが職員についた「ウソ」がきっかけだったと言います。
鎖で拘束されたチャン・マウ・ホアンさん
「うそをついて『ベトナムに帰国する』と言ったら、在留カードとパスポート、身分証明書を出せと言われました。強制帰国させられる学生も見てきたので、私は拒否しました。そうすると鎖につながれ、書類を保管している場所を早く言えと問い詰められました」
チャンさんへの拘束を他の職員が止めなかったことや寮に戻ったチャンさんの監視を職員が続けたことなどが悪質な人権侵害にあたるとして出入国在留管理庁は先週、西日本国際教育学院に対し、今後5年間、留学生の受け入れを認めない行政処分を出しました。在校生およそ630人についても転校などを促すよう指導する方針です。
これについて、外国人の在留資格や留学生トラブルに詳しい弁護士は、「処分や指導をするだけではなく留学生に対する支援が必要だ」と指摘しています。
暁法律事務所 指宿昭一弁護士
「受け入れ先がないと、留学の在留資格がなくなって帰国せざるを得なくなる。留学生にとって著しい不利益になるので、万全の対応を入管はするべき」
学校から逃げ出し、警察に被害届けを提出したチャンさんは、在留資格を「特定活動」に切り替えて日本での生活を続けています。
鎖で拘束されたチャン・マウ・ホアンさん
「日本のことは好きなので、今後は別の学校に通って、車の部品を作ることを勉強したいと思っていますが、現実的にはなかなか難しいです」
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