学生映画の最高峰とされる「学生アカデミー賞」で、日本人男性の作品が銀賞を受賞しました。作品には、ある「伝統文化」への強い思いが込められていました。
記者
「学生アカデミー賞の授賞式がまもなく始まります。若き監督たちがレッドカーペットに集まってきました」
きのう、イギリス・ロンドンで行われた「学生アカデミー賞」の授賞式。アメリカのアカデミー賞を主催する団体が手がける国際的なコンテストで、過去には「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のロバート・ゼメキス監督らが受賞しています。
世界中から気鋭の若手が集まる中、日本人の姿も。CGアニメーションの作品を手がけた金森慧さん(22)。幼いころからモノ作りが大好きで、特に没頭していたのは「折り紙」でした。
そんな原点に立ち返った作品「Origami」。命が息吹くように正方形の紙がさまざまな生き物の形に折られていく様子を描きました。
金森慧さん
「小さい時に色んな所に連れて行かれる時に、必ず15センチの折り紙の入った箱を持ち歩いていて、暇になるとずっと折っていた」
金森さんがCGと出会ったのは、高校生のころ。アナログな「折り紙」と対極にあるかのように思える「CG」ですが、共通点を見出し、のめり込んでいきました。
金森慧さん
「CGでも、形を定義するのは点と点を結ぶ線と、線と線の間を埋める面というのがあって、その線をつなげる感覚というのが折り紙とCGですごく似ている。ずっと今まで折り紙を頑張っていたのが、CGに出会うためだったのかっていうふうに思うぐらい」
モノ作りの楽しさを教えてくれた折り紙をCGの世界でいかにリアルに表現できるか。誰よりも思い入れがあるからこそできる緻密な表現を追求しました。そして…
「『学生アカデミー賞』アニメーション部門銀賞は金森慧さんです」
金森さんの作品はアニメーション部門で日本作品として初の快挙となる銀賞を受賞。来年の「アカデミー賞」でも、短編映画部門の選考対象になることが決まりました。
金森慧さん
「日本の文化をテーマにした作品が世界の場で評価されたことをすごく嬉しく思っています。(これからも)自分の作品作りができるような道を目指して頑張っていきたい」
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