以下、国立天文台の解説です。
紫金山・アトラス彗星は、2023年1月に発見された彗星で、2024年9月27日(世界時。日本時では28日)に近日点を通過(太陽に最も接近)しました。このときの彗星と太陽の距離は0.39天文単位(約5900万キロメートル)で、近日点通過前後の時期で彗星活動がピークを迎えたものと予想されます。
ただし、彗星の見かけの位置は太陽にかなり近く、肉眼で観察するのは困難でした(※日によっては、明け方の低空で双眼鏡などを用いて観察されたり、写真撮影されたりしました)。
地球への最接近は10月12日(世界時。日本時では13日)で、この時の彗星と地球の距離は0.47天文単位(約7100万キロメートル)です。ちょうどこの頃から、彗星の見かけの位置が太陽から離れて夕方の西の低い空で観察できるようになります。
空の暗い場所であれば、肉眼でかすかに見えるかもしれません。市街地では肉眼で見るのは難しそうですが、適切に設定したカメラで撮影することでぼんやりとした姿を写すことができそうです。
10月下旬以降は、彗星が太陽からも地球からも遠ざかっていき、徐々に暗くなっていきます。