■プレステ5も…“安いニッポン”で買い中国で売る


新品の価格を中古品が上回る異常事態は家庭用ゲーム機でも。

リサイクルショップを11店舗展開する「万代」。メーカーの希望小売価格が約5万5000円のプレイステーション5の買い取り価格は・・・

リサイクルショップ万代 小松広幸 取締役
「中古で最低6万円。未使用のマックスで8万1700円になります」

この3か月で200台ほど新品の価格より高く買い取りました。それを店舗や自社サイトに出品すると、すぐ売れてしまったといいます。

リサイクルショップ万代 小松取締役
「海外の需要がもともと高くて。同じリユースの同業者さんの中には、海外のビジネスチャンスと日本で取り組んでるところもあると聞きます。世界市場にもやっぱり範囲が広がっている」


海外での需要が高まっていることで、日本での売買価格が、高額になっているといいます。

中国のサイトを見てみると、プレイステーション5が約9万円で出品されています。個人の出品に混じって業者らしき、アカウントからの出品も。転売業者なのか、山積みのプレステ5の写真までありました。

9月7日の為替レートで計算すると、プレステ5の価格はアメリカが約7万円、中国が約8万7000円。そして、日本は約5万5000円と急激な円安で日本価格に割安感が強まっているのです。

そのため、日本で安く購入したプレステを中国など高値で売れる海外に転売する動きが加速。

ある調査によりますと2022年の4月から6月に日本から海外に売られた
プレステ5は、2021年と比べて10.7倍に増えました。

円安の影響による割安感に加え、長らくデフレ状態が続いた日本。この“安いニッポン”に専門家は懸念を示します。

第一生命経済研究所 首席エコノミスト 永濱利廣氏
「日本国内ではずっと物価と賃金が上がらないということになると、これまで当たり前に買えていたものが、買えなくなっていく。場合によっては海外に買い負けしてしまって、値段が上がるだけじゃなく、そもそもモノが入らない状況になりかねないと思う」

■動画配信の月額にも日米差 サービス撤退の恐れも?


国山ハセンキャスター
「動画配信サービスのネットフリックスやディズニープラスの月額の料金も、日本はアメリカと比べて安く設定されているんですよね。ネットフリックスはいくつかプランあると思うのですが、3割ほど安いと」

(1ドル=144円換算)
▼ネットフリックスの月額
 日本 990円ーアメリカ 1438円

▼ディズニープラスの月額
 日本 990円ーアメリカ 1150円

小川彩佳キャスター
「どうしてこうした状況が起きるのか専門家に聞くと、『日本は経済成長もせず賃金も低いので、価格が抑えられていると思う。今後収益が出にくい状況になってしまうと、こうしたサービスが撤退してしまう可能性があるのでは』ということです。こうした状況からも一昔前とは違う“安いニッポン”が浮き彫りになりますね。賃金、いつ上がるのでしょうか?」