日本一小さな村として知られる富山県舟橋村役場。職員の3分の1がパワーハラスメントの被害を受ける異常な事態であることが明らかになりました。村が設置した第三者調査委員会は「当時の村長ら管理監督者のコンプライアンス意識が欠如し、10年以上職場内でパワハラがまん延していた」とする調査報告書を公表しました。

古越邦男 村長:
「住民の方、職員、それぞれにご迷惑をかけてた部分がございますので、管理者としての責任を強く感じています」

日本一小さな村として知られる舟橋村。去年2月、被害者4人の告発で40代男性職員のパワハラ行為が発覚し、村は1年以上たったことし4月に、弁護士などによる第三者調査委員会を設置しました。

調査委員会が6日公表した報告書では、10年以上前から役場内でパワハラがまん延していたことが明らかになりました。

記者:
「ここ数年だけでもパワハラが一因となり、職員2人が退職、4人が精神の不調を訴えていたということです」

調査報告書によりますと、パワハラ問題で「戒告」の懲戒処分を受けた40代の男性職員は研修から戻ってきて、たまっている書類を片付けていた女性職員にこんな暴言を浴びせたとしています。

「普段仕事をしていないのに、夜ばかり仕事をして時間外をつけるのはダメなやつだから」「給料泥棒が」

また、この男性職員は机の上の物を乱暴に投げつけたり、胸元を見てセクハラ発言をしたりするなどのパワハラを少なくとも10年前から繰り返していました。

この男性職員以外にも複数の職員によるパワハラと疑われる事案や問題行動が確認されました。

記者:
「さらに問題となるのは、村長を含む管理監督者の対応です。複数の職員は被害相談をするも終始不誠実な対応に終わり、対策は取られなかったということです」

調査委員会の聞き取りに対し、村の全職員の3分の1にあたるおよそ10人がパワハラなどの被害を受けたと回答。村長や副村長ら幹部のコンプライアンス意識の欠如が原因と結論付けました。

2007年から2019年まで副村長を務めた古越村長はこう釈明しました。

古越邦男 村長:
「私もそんなに聞いてなかったので自分自身でもびっくりしている部分がたしかにありますね。(パワハラを受けた職員が)3分の1ということになるわけですが
大変大きな数字というふうに思います。わからなかった部分も、これはいい訳になるのですが、あったかと思うのですが、事実として受け止め対応をしっかりとやってかざるを得ない」

古越村長は去年2月に発覚した40代の男性職員以外のパワハラについては職員の処分は考えておらず、近く職員への説明会を開く方針です。